払込金保管証明書が不要になる

新会社法では、発起設立の場合は「払込金保管証明書」が不要になります。

発起設立とは、発起人が会社設立の際に発行する株式のすべてを引き受ける設立の方法です。

会社を設立する際の出資金の払い込みは、発起人が指定する払込取扱機関(銀行や信託会社など)に行うことになっています。これは、「見せ金」や「預け合い」といった仮装の払い込みを防ぎ、払い込まれた金銭の保管を確実なものにするためです。

現行商法では、この際に払込取扱機関から「払込金保管証明書」を発行してもらう必要があります。

しかし・・・

払込取扱機関は払込金の保管に関して証明した金額について責任を負うことになります。そのため、払込取扱機関は証明書の発行に慎重になり、発行に時間がかかるのはもちろんのこと、場合によっては払い込みを拒否されることもあります。

以前にも書きましたが、私の知人の元銀行員は、20年間で一度も引き受けたことはないそうです。(「そんなん、受けられるわけないやろ〜」と言ってました。) 
その場合は「うちでは、手数料が10万円かかりますが如何しますか?」といった感じで遠まわしに断るそうです。ちなみに「払込金保管証明書」の発行手数料の相場は、資本金の0.25%〜0.3%程度といわれています。

新会社法では、この「払込金保管証明書」に替えて「残高証明書」でもよいことになりました。

この点について、大阪の著名な弁護士の先生は「発行に時間がかからない分、タイムスケジュールが明確になることに意義がある」という話をされていました。

確かに顧問弁護士のいるような大きな会社の場合、企業再編等ではその点が重要なのかもしれませんが、小資本での起業を考える人にとっては、やはり確実に発行してもらえることと、手数料が安くすむ点が大きなメリットになるでしょう。

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現物出資・財産引受けの規制の緩和

新会社法では、最低資本金規制の廃止に伴い(?)現物出資・財産引受けの規制も緩和されることになりました。

現物出資」とは会社の設立時に金銭以外の財産を出資することで、「財産引受け」は会社設立後に会社が事業用の財産を譲り受ける(≒買い取る)契約を設立前にすることです。

どちらの行為も、対象となる財産を不当に高く評価することにより会社債権者を害する等のおそれがあるために、定款に記載し、裁判所の選任した検査役の調査を受けなければならないことになっています。

この手続きは煩雑で、時間も費用もかかるため、ほとんど活用されていないのが現状です。

ただ、少額の場合や不当な評価の危険性がない場合には、検査役の調査は不要とされています。

新会社法では、検査役の調査が不要とされる範囲が拡大されることになっています。

現行商法では、



1. 定款に定めた現物出資および財産引受けの目的財産の総額が、資本金額の5分の1を超えず、かつ、500万円を超えないとき。
2. 現物出資および財産引受けの目的財産が取引所の相場のある有価証券である場合に、定款で定めた価格が取引所の相場を超えないとき。
3. 現物出資および財産引受けの目的財産の価格が相当であることにつき弁護士等の証明を受けたとき。
には、検査役の調査は不要とされています。

新会社法では、


1. 定款に定めた現物出資および財産引受けの目的財産の総額が、500万円を超えないとき。(資本金額の5分の1の規制が廃止)
2. 現物出資および財産引受けの目的財産が市場価格のある有価証券である場合に、定款で定めた価格が市場価格を超えないとき。(取引所の相場のある有価証券 → 市場価格のある有価証券に拡大)
3. 現物出資および財産引受けの目的財産の価格が相当であることにつき弁護士等の証明を受けたとき。(変更なし)

となりました。

有限会社(資本金300万円)の規模で考えると、60万円→500万円と大幅に拡大されることになります。

ただし、あくまでも適正な評価を行うことが大切です。

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新「会社法」のポイントとしては、

1.最低資本金規制の廃止
2.有限会社の廃止
3.会社設立手続の簡素化
4.機関設計の柔軟化
5.合同会社(LLC)の新設
6.会計参与制度の創設

などがあげられます。
それともうひとつ、
「有限責任事業組合(LLP)の新設」
もありますね。
ただし、これは会社法を根拠法とするものではありません。
…でもこれも、大事なポイントです。

もちろん他にも幾つものポイントがあると思います。
大企業から見れば、
「M&Aが…」
とか
「三角合併が…」
などといったことの方が大きい改正なのかもしれませんが、
今から起業をしようと考えている方にとっては、
1.最低資本金規制の廃止
2.有限会社の廃止
といった事のほうが大きなポイントですよね。
まずはそのあたりから勉強していきましょう!

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