類似商号登記規制の廃止に伴って、新会社法ではさらに「不正競争目的の商号使用の規制」も廃止されることになりました。

現行商法20条1項では、
「商号を登記した者は、不正な競争の目的で同じ商号またはよく似た商号を使用している者に対して、その使用停止を請求することができ、損害があれば賠償を請求することができる」
と、登記の効果を規定しています。

さらに同20条2項では、
「他人が登記した商号を同一の市町村内で同一の営業のために使用している者は、不正な競争の目的でその商号を使用すると推定する」
と規定しています。

類似商号規制が廃止され、「同一の市町村内で同一の営業のための商号」という規定がなくなる以上、20条2項の廃止は当然のことと言えます。

では、20条1項の廃止はなぜ?
不正な競争目的で同じ商号を使われても、泣き寝入りしなければならないのか?

・・・そんなわけではありません。

商号に関して規定する法律に「不正競争防止法」があります。
この「不正競争防止法」2条1項では、
「他人の商号として需要者の間に広く認知されているものと同一もしくは類似の表示を使用し、他人の営業と混同を生じさせる行為」を不正競争にあたるとして、同法3条で使用差止請求権、同法4条で損害賠償責任を認めています。(登記の有無を問いません)

つまり同じ行為を規制する法律が2つ存在することになり、解釈が不明確であるといわれています。そこで新会社法では「不正競争目的の商号使用の規制」を「不正競争防止法」に委ねることになりました。(罰則を定めた現行商法22条も廃止)

ただし、登記の有無を問わない不正競争目的の商号使用の規制の現行商法21条は、新会社法でも残っています。(会社法8条)
このあたりの意味はよくわかりませんが、「不正競争防止法」の「需要者の間に広く認知されているもの」という条件をカバーするもののようです。

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類似商号規制の廃止

新会社法では、類似商号規制が廃止されます。

類似商号規制とは?

現行商法では、
「他人が登記した商号は、同一市町村内で同一の営業のために登記することができない」と規定されています。

さらにこれを受けて商業登記法27条では、
「商号の登記は、同一市町村内においては、同一の営業のため他人が登記したものと判然区別することができないときは、することができない」と規定されています。
これがいわゆる「類似商号規制」と呼ばれています。

このような規定は、既存の会社の利益を保護する意味である程度は必要であると考えられますが、実際にはどうでしょう?

現在のように、個人商店でも全国的規模で事業展開がなされている状況で、同一市町村内に限って規制してもほとんと意味がないのではないでしょうか?

先日、大阪の著名な弁護士の先生もおっしゃていましたが、今後更なる通信網等の発達を考えると、「日本国内で同一の商号がある場合は・・・」と規制しても意味がなくなるかもしれません。

また、「類似商号」は「同一の営業」を基準に判断されるため、定款の作成や登記申請の際の「会社の目的」の記載が難しくなり手続きにも手間がかかります。

そこで「新会社法」では、この規制は廃止されました。商業登記法も当然に改正され、
「同一の商号を同一の所在場所(住所)で登記することはできない」と大幅に緩和されています。

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